菩提寺の大イチョウ | フローリング総合研究所
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2021.07.09

菩提寺の大イチョウ

標高700mはあろうかという那岐山中腹に位置する菩提寺は、浄土宗の開祖である法然上人が少年時代に修行した寺院としてよく知られている。
言い伝えによると、少年時代の法然上人は学問成就を祈願して境内に杖を挿した。現在、境内に超然として聳えている「菩提寺の大イチョウ」は、その杖が根付いて成長したものであるといわれている。
太さ13mを超える巨大な主幹は、地上3mのあたりから数十本に分かれていた。そのなかでも太い幹や横枝からは、鍾乳石のような気根が伸びている。垂れ下がっているものもあれば幹に絡みついているものもあり、独特の樹相を形作っていた。シダやコケもまとわりついており、まるでヒゲを生やした老人のようである。
1955(昭和30)年には根元の空洞にテンが住み着き、これを追い出そうと火を使ったところ幹に燃え移ってしまうという災難に見舞われたという。しかし、木の勢いは現在も失われておらず、秋には見事な黄葉が見られるそうだ。

指定:国指定天然記念物
所在地:岡山県勝田郡奈義町1528 菩提寺境内
樹種:イチョウ
樹齢:推定800年
樹高:42m
幹周:13.5m
撮影:2017年
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