命主社(いのちぬしやしろ)のムクノキ | フローリング総合研究所
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2019.08.19

命主社(いのちぬしやしろ)のムクノキ

命主社は、参詣者でにぎわう出雲大社のすぐ東隣にひっそりと鎮座する境外摂社である。御祭神は神皇産霊神(かみむすびのかみ)。『古事記』では「神産巣日神」と記され、その冒頭において物事の出来始めを司る3柱の神、造化三神の1柱として登場する。神名の「むす」は植物の生成繁茂を表す言葉であり、植物の生命力を神格化したのが神皇産霊神であるとする説もある。
地元では子どもの成長を見守る神社として、「いのっつぁん」の愛称で親しまれている。子どもが生まれて100日目には、命主社に親子揃って参拝するという風習もあるそうだ。
御神木は社殿の左手に立つムクノキで、伝説によると樹齢1,000年を越える。岩を抱え込み、約2mも根上りした樹相はすさまじく、表面に多数見られる瘤状の隆起がその異様さに拍車をかけていた。真正面から対面してみると、全身にエネルギーを授かるようである。天地開闢(かいびゃく)の神を祀る神社の御神木にふさわしい神威を感じさせられた。

指定:出雲市指定天然記念物
所在地:島根県出雲市大社町杵築東 命主社境内
樹種:ムクノキ
樹齢:推定1,000年
樹高:23m
幹周:5.9m
撮影:2008年
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