伯耆(ほうき)の大ジイ | フローリング総合研究所
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2019.03.03

伯耆(ほうき)の大ジイ

鳥取県の春日神社は奈良の春日大社より勧請したと伝えられており、「伯耆の大ジイ」はその御神木であるという。幹は根元から4本の太い枝に分かれており、根元の幹には縄をよじったような深いシワが刻みこまれていた。巨大な枝を広げながら断崖に立つ様は、頭でっかちで不安定に見える。この巨木はかつて、隣接する島根県の「志多備神社のスダジイ」と日本一のシイの座を競ったことがある。伯耆の大ジイの公式記録は1937(昭和12)年に測定されたもので、幹周10.8mであったが、志多備のスダジイは11.0mと公表されていた。結局、環境庁(当時)が仲裁することとなり、再度計測を行ったところ、両者とも11.40mで引き分けとなった。ところがその後、伊豆諸島の御みくら蔵島でスダジイの巨樹群が発見される。鳥取・島根の2樹を2mあまりも上回る、最大幹周13.79mの大物が見つかり、日本一のシイ騒動は意外な結末を迎えたのであった。

指定:国指定天然記念物
所在地:鳥取県東伯郡琴浦町宮場75 春日神社境内
樹種:スダジイ
樹齢:推定1,000年
樹高:15m
幹周:11.4m
撮影:1998年
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