ジャズベース | フローリング総合研究所
2019.07.16

ジャズベース

エレクトリックベース誕生

1940年代迄はコントラバス(ウッドベース)が使われていました。しかし、ポピュラーミュージックの浸透や音楽ホールの大規模化により、様々なミュージシャンから「ツアー時の持ち運びが大変」「もっと大音量が欲しい。」等の要望により、1951年に最初のエレクトリックベース「プレジションベース」がフェンダー社より発売されました。

 

コントラバス(ウッドベース)

エレクトリックベースの王道ジャズベース

ジャコ・パストリアス(wikipediaより)

今では数多くのエレクトリックベースが発売されていますが、1960年の発売以来「プレジションベース」とともに世界中のミュージシャンから愛され続けているのが「ジャズベース」です。
「ジャズベース」は、その名前からJAZZ用のベースだと思われがちですが、その設計意図によって非常に多彩なサウンドを創り出すことが可能で、ジャズ・ロック・ソウル等、様々なジャンルの音楽に対応することが出来ます。

ジャズベースに使われている木材

「ジャズベース」のフォルムはその完成度の高さから発売以来変わることはありませんが、使われている木材は製造された時期によって大きく2つに分類することができます。
1960年代は、ボディーにはアルダー、ネックはメープルを基本とし指板にはローズウッドを貼り合わせています。
アルダーは加工が容易で、音質は癖が無く非常にフラットで中音域を得意としています。また、指板にローズウッドを使う事で温かみのある自然な音となります。

今でも絶大な人気を誇る「ビンテージトーン」が正にこの音で、ジャコ・パストリアス(Weather Report他)、ジョン・ポール・ジョーンズ(Led Zeppelin)が、この時代のジャスベースを愛用していました。
1970年代になるとボディーにはアッシュが使われるようになりました。アッシュはアルダーに比べて木質は硬く重量も重いのですが、バランスに優れた深みのある音になります。更に、メープル指板のネックと組み合わせる事で、音の立ち上がりがよくなり輪郭もはっきりとした音質になります。アッシュには綺麗な杢目が出る事からクリアー塗装が施されています。

この時代の「ジャズベース」はスラップ(※1)を得意とするミュージシャンからの支持が多く、代表的なミュージシャンが、マーカス・ミラーです。更に近年の「ジャズベース」には5弦(※2)仕様やアクティブ回路(※3)を搭載したタイプも加わり、これからの時代とともに進化し続けていくことになるでしょう。

※1 スラップ・・・弦を親指、またはひとさし指や中指で弾くことで、フラットに叩きつける演奏方法。
※2 5弦・・・ジャズベースを含めベースギターは基本4弦。
※3 アクティブ回路・・・本体にプリアンプ(音式を調整する)が搭載されている。

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